パントリーの広さは何帖が使いやすい?寸法・奥行きなど注意点やオススメの方法を伝授!
パントリーは、料理好きな人や、頻繁に買い物に行きにくい共働きファミリーに人気の間取りです。しかし、何となく設けたり、無計画に物をしまったりすると使いにくくなることも…。なので、オススメの収納方法を解説します!
記事の目次
- 家の間取りのどこに設けると使いやすい?
- 広さ(畳数)や奥行きなどの寸法の目安は?
- ウォークイン/ウォークスルーのメリット・デメリットは?
- 使いやすい収納にするための注意点は?
- 漠然とつくると、失敗や後悔の原因に!
家のどこに配置すると使いやすいか?
設ける場所は、収納したい物で決定しましょう。
パントリーとは、主にストック食材や調理器具などをしまう収納スペースのことで、「食品庫」と呼ばれます。
スペースの成り立ちを考えると、キッチンに近い場所に設けて、食品ストックや調理器具、調理家電などをしまうのが一般的です。現在、キッチンはつり戸棚のないタイプが人気ですが、このタイプは収納が不足しがちです。新築やリフォーム時につり戸棚のないタイプを選ぶなら、近くにパントリーを設けて、バックヤード的に使えるようにするとよいでしょう。
また、近ごろは飲料や缶詰、レトルト食品などを多めに買っておき、使った分を買い足していくことで常に一定の食材を備蓄する『ローリングストック』を実践しているご家庭が増えています。通販やお店で買った食材を運び込む機会も多いでしょうから、パントリーを玄関とキッチンの動線上に設けておくと、より便利だと思います。
食品ストックや調理家電だけでなく、掃除用品や洗剤なども収納したいなら、キッチンと洗面室の間に設けるのもよいでしょう。
パントリーの場所は、収納したい物によって決定するのがベストです。掃除用品や洗剤のほか、ティッシュペーパーやトイレットぺーパーなどの日用品を収納するために、洗面室やトイレの近くに設ける場合も多いです。
コロナ禍により、ウェットティッシュや紙マスク、消毒液などの感染予防対策品のストックが増えているご家庭なら、『パントリー』より『ストックルーム』としたうえで、設ける場所を検討した方がよいかもしれませんね。
窓やカウンターを設置して、家事室やランドリールームを兼ねる
パントリーの発展形として、家事室やランドリールームを兼ねる間取りの場合もあります。
キッチンや洗面室の近くにある程度の広さが確保できるなら、洗濯機を置いたり、窓やカウンターを設け、家事室やランドリールームを兼ねたパントリーにするのもよいと思います。収納部分には両方の空間で使うものをしまえ、カウンターではアイロンがけや料理の下ごしらえができる、便利なスペースになります。
扉の有無は、他の空間から見えるかどうかで選ぶ
パントリーをつくるときに、出入口に扉をつけるべきか悩む人もいるでしょう。
パントリー内部が他の空間から見えてしまい、内部を見せたくない場合は、扉をつけて“目隠し”をしましょう。扉の種類は、扉の開閉スペースが取れれば開き戸に、あまりとれない場合は引戸や折り戸、ロールスクリーンやカーテンがよいと思います。物を持って出入りする機会も多いので、開けっ放しにしても邪魔になりにくいことや、予算も考慮して選びたいですね。
パントリー内部のクロスや床材は、どのように決めればよいか?
一般的には、キッチンや廊下と同じ素材のクロスやフローリングを張ることが多いです。ただ、土のついた野菜の保管や、果実酒や調味料の入れ替え時にこぼす可能性を考えると、床はタイルなど汚れが落としやすい素材をオススメします。
家事室と兼ねる場合は、カウンター前の壁面におしゃれなアクセントクロスを張るなど、インテリアや居心地の良さも考えたスペースをつくりたいですね」
広さ(畳数)や奥行きなどの寸法の目安は何?
広さは、1畳以上を目安にしてください。
パントリーの広さの目安は、主に何をしまいたいのかと、どのように使いたいかにより変わります。
純粋に“食品庫”として使い、扉を閉めても中で作業できるウォークインタイプのパントリーをつくりたい場合、4人家族なら1畳以上が目安になります。
例えば、間口170cm×奥行き85cmの空間なら、大型冷蔵庫と奥行き30cmの造作棚を対面で配しても、パントリー内にゆとりある作業スペースを確保できます。造作棚は床から天井まで使い切ると5~6段は設置できるので、かなりの物を収納できます。
棚の奥行きが2タイプあると、物がしまいやすくなる
物をしまいやすいパントリーをつくるなら、市販の組み立て収納ラックなどの家具を置くか、造作棚を設けましょう。造作棚は、動かせるようにすると、しまう物に合わせて位置を変えられて便利です
造作棚を設ける場合、棚板の奥行きは、A4のファイルボックスが縦でも横でも置ける30~35cmを目安にしましょう。ただ、ホットプレートなど大きい物をしまうには、奥行きが45cm程度必要になります。可能なら、棚を設置するためのダボレール(棚柱)を3列設け、棚板の奥行きが30cmと45cmの2タイプ用意しておくと、しまいたい物に合わせて棚板を変えられます。
棚板は、奥行きだけでなく幅にも配慮しましょう。
棚に重い物を置く予定なら、棚板がゆがまないように板の幅を狭めにするか、ダボレールの間隔を狭くしておきましょう。最近の調理家電は大きいですし、ホットプレートでも10キロ近くの重たい物もあるので注意したいですね
パントリーについてもっと詳しく見る>>
→パントリーとは?キッチン収納名人になる活用術
ウォークイン/ウォークスルーのメリット・デメリット?
ウォークインタイプのメリットは収納力が高い
人が中に入れるパントリーの間取りには、出入口が1つのウォークインタイプと、出入口が2つあるウォークスルータイプがあります。
ウォークインタイプには壁面が3つあります。壁面に造作棚を多く設けられるため収納力が高く、冷蔵庫やゴミ箱が置きやすいメリットがあります。一方、出入口が1つなので通気が取りにくく、臭いや湿気がこもりやすいデメリットがあります。
通気のために窓を設けると棚が減ってしまうので、天井に換気扇を設けるとよいでしょう。24時間換気なら常に換気されるため、臭いや湿気がこもりにくくなります。換気扇は後付けで工事するのが大変なので、新築やリフォーム時に設置しておきたいですね
ウォークスルーのメリットは、動線も兼ねた間取りがつくれること
ウォークスルータイプは出入口が2カ所以上あるために通気が確保しやすく、動線を兼ねた間取りをつくることが可能です。
キッチンと洗面室の間に設ければ、家事動線を兼ねられるため一石二鳥です。通り抜けるときに収納棚に目がいくため、しまい忘れを防ぎやすくなるメリットもあります。
ただ、出入口を2カ所つくるために壁面が減り、同じ広さのウォークインタイプと比べると収納力は低くなります。また、動線を兼ねるなら、通路幅は廊下と同じ80cm程度は確保したいので、1畳程度の広さでは“思ったより物が入らない”という状況になるかもしれません。
ウォークイン/ウォークスルーのどちらを選ぶのかは、確保できる広さと、収納力or動線効率のどちらを取るのかなどによって決めるとよいでしょう。
収納を使いやすいくするためには?
物をしまう位置は、使用頻度と重さを考慮して決定
いつのまにかパントリーの中がごちゃごちゃに……という事態を防ぐために、パントリーをつくるときや使い始める前には、どこに何をしまうか計画を立てておきたいものです。
無理なく物が出し入れできる目線から腰までの高さには、使用頻度の高い物をしまいましょう。年に何回かしか使わない、誕生会や来客時に使う物は高いところにしまうとよいですね。ペットボトルなどの重い物は、床に近いところに置き、キャスター付き収納を使えば出し入れがラクになります。
収納グッズは、しまう物に応じた素材・形を選定
ホームセンターや100円ショップなどには、さまざまな素材や形の収納グッズが売られています。どれも便利そうに見えるので、選ぶのに迷うかもしれません。
棚板の奥行きと幅を確認したうえで、ストッカーやファイルBOX、引き出しなどを上手く組み合わせたいですね。細かい物をしまうなら引出しタイプやプラスチックカゴが整理しやすく、高い場所に使うならハンドルがついたストッカーが便利です。
収納グッズの素材は、しまうものによって選びましょう。食品をしまうならプラスチック系がお手入れしやすくてオススメです。中身が見える透明か半透明のタイプなら、在庫チェックがしやすくなります。透過性のないタイプなら、ラベルが貼りやすい素材がよいと思います。
たくさんのメーカーが収納グッズを販売していますが、同じメーカーで統一すればモジュール(寸法)がそろうため、見た目が美しい“インスタ映え”する収納がつくれます。実用性を重視するなら、しまいたい物に合わせて、いろいろなメーカーの収納グッズを組み合わせるとよいでしょう」
コンセントは、コードが邪魔にならない場所に配置
パントリー内に冷蔵庫や炊飯器を置いたり、調理家電を使ったりするなら、コンセントを設ける必要があります。
コンセントを低い場所に設けると、コードが足に引っかかりやすくなります。できるだけ家電の置き場所や、調理家電を使うシーンをイメージして、コードが邪魔にならない場所に設けたいですね。例えば、冷蔵庫なら高い位置に、炊飯器や電子レンジを置くならその後ろ壁に、パントリー内で調理家電を使うならカウンターを造作し、カウンター上にコンセントを設けるとよいでしょう。
照明は人感センサー付きがとっても便利です
人が中に入れるパントリーにするなら、照明を忘れずに設置しましょう。
荷物を持ったまま出入りすることを考えると、スイッチのON/OFFが不要な人感センサー付きの照明をオススメします。人感センサー付きの照明には、センサーが電球に内蔵されているタイプや、壁スイッチにセンサーがついているタイプなどがあります。壁スイッチタイプは、連続点灯や点灯時間の設定ができるため、パントリーではこちらを設置するケースが多いです。
漠然とつくると、失敗・後悔します!
暮らしやしまう物に応じた収納計画をパントリーありきで考えないように
新築やリフォーム時に、あると便利そうだと考え、何となくパントリーを設ける人もいるかもしれません。しかし、漠然とつくると、収納量が足りない、場所は違うところの方が使いやすかったなどの失敗をするかもしれません。
パントリーありきで考えず、暮らし方やしまいたい物から場所や広さを決めた方がスペースに無駄がなく、使いやすい収納をつくれるものです。例えば、季節家電やペットフードなどもしまいたいならパントリー(食品庫)ではなくストックルーム(納戸)にする。室内干しが出来るスペースが欲しいなら、広めに確保して洗濯機も置きパントリー兼ランドリールームにする方法もあります。
パントリーに限らず、しまいたい物を想定し、使い方の目的を決めておくことが、使いやすい収納をつくるためには重要です。場所や広さをきめたら照明や通気にも配慮し、しまう物に合わせた収納グッズを活用することで、後悔しないパントリーをつくってください。
まとめ
①パントリーはキッチンの近し、食品ストックや調理家電などを収納するのが基本。洗面室の近くである程度の広さが確保できるなら、洗濯機を置いてランドリールームを兼ねても大丈夫。
②人が中に入れるパントリーをつくるなら、広さは1畳以上を目安に。棚の奥行きは30~35cmを目安にしましょう。
③収納グッズは、しまう物に応じた素材・形を選ぶ。食品をしまうならお手入れしやすいプラスチック系がオススメです♪